瀧本ゼミ政策分析パート 新歓特設ブログ

このゼミは、京都大学の瀧本哲史客員准教授の下、自ら関心のある社会問題に対する解決策を立案し、ロビイングや社会起業、学術研究などの政策にとらわれない手段によって実際に問題解決を図る、東大を中心とする自主ゼミです。詳しい情報はこちらへ http://seisaku.strikingly.com/

瀧本ゼミで分野と分野の橋渡しを目指す

f:id:seisaku2015:20170418112203j:plain

杉山:
このたびは瀧本ゼミ5.5期生、東京大学大学院情報理工学系研究科知能機械情報学専攻修士過程1年生の金山さんにインタビューを行いました!金山さんは、普段は研究室で機械学習に関する研究をなさっているそうです。なぜ、機械学習を研究している理系大学生が瀧本ゼミの興味を持ち入ゼミに至ったのか、瀧本ゼミの魅力に迫りました。インタビュアーはゼミ上級生の杉山が務めます。よろしくお願い致します。

金山さんは昨年の秋に瀧本ゼミに入られましたが、以前からこのような団体に興味があったのですか?

金山:
いえ、正直な所、初めはこのような自主ゼミに入るつもりなんてまっったく無かったですね。そもそも、理系に所属していると自主ゼミや学生団体に所属している人が周りにあまりいないので実態がよく分かりません。それに、大学の課題やら研究やらが忙しくて、新しく自主ゼミに入って活動しようなんて思う余裕もあまり無かったですね。しかも、「政策分析パート」って。政策?とかほんとに興味もなかったので。

杉山:
そこまで言わなくても…笑。そんな状況だったのになぜ瀧本ゼミに興味を持ったのですか?

金山:
実は、僕は大学入学当初から、分野と分野の橋渡しをするような存在になりたい、と考えていたんです。せっかく単科大学ではなく総合大学に入学したわけだし、特に東大は1, 2年生のうちは特定の学部学科に分化せずに幅広い分野を学んだり幅広い分野の人と交流したりする機会が与えられているので、この環境は今後に活かしていきたいと考えていました。ただ、進学振り分けを経て段々と専門性が高まっていくにつれ、異分野と関わる機会が減っていくことに対して心のどこかで寂しさを感じるようになっていました。

また、僕は工学部に所属しているのですが、工学部だからこそもっと社会のことを知らなければいけないなと思っていました。工学部は理学部と比べて社会に対する技術還元の性質が強いのですが、それなのに自分は世の中のことを知らなすぎるし、工学部にいるだけではなかなか外の世界を知ることができません。

それから、僕が異分野融合を志向するようになったもう一つの理由として、一つの分野だけではどうしても生き残ることができないと大学に入って強く感じた、というのが挙げられます。自分は高校時代、数学が好きで、割と得意な方だと思っていました。でも大学に入って周りを見渡すと、数学オリンピック◯位でしたとか、大学に入る前から専門書を何冊も読んでましたとか、そんな人がいっぱいいて、自分は数学が得意ですなんて口が裂けても言えないなと思ってしまいました笑。また、情報系の専門課程に入っても、周りには小学生の時からプログラミングやってましたとか、競技プログラミング歴◯年ですとか、そんな人だらけで。世の中にはすごい人がいっぱいいるんだなぁと畏敬の念を抱くと同時に、このままこの人たちと真っ向勝負したら自分の存在価値が無くなってしまう、と危機感を抱きました。一方、分野の境界領域はまだまだアタックしている人が少ないため、ここに自分の居場所を見いだせたら、と強く思うようになりました。

そんな中、Twitterで瀧本ゼミのアカウントにフォローされたことをきっかけにこのゼミの存在を知りました。そしてホームページなどで活動内容を調べるに連れ、もしかしたらこの団体に入れば自分の目指していた異分野融合ができるかもしれない、と思ったんです。とは言え、いざ説明会に参加する時は、説明会に行くだけならタダだし予定が合えば行くか、くらいのノリでしたが笑。

杉山:
なるほど。では、そのような軽い気持ちで説明会に参加してみて、実際に瀧本ゼミに入ろうと思ったのは何ですか?

金山:
理由はいろいろありますが、1番の理由はゼミの人と話すのが純粋に楽しかったことですかね。初めて説明会に行った日だけでも、法学部・医学部・文学部・工学部・・・などなど、様々なバックグラウンドを持った方々と話すことが出来ました。しかもそれだけでなく、みんな好奇心が強いことに魅力を感じました。

多くの人は、専門外の人の話を聞くことに少なからず抵抗を感じてしまうと思うのですが、瀧本ゼミの人たちはみんな異分野の人たちの話を積極的に聞こうとしていました。もしかしたらこの環境なら、分野を横断して今まで誰もなしえなかったことができるかもしれない、という期待を感じました。

あとは、新歓説明会で見た発表が面白かった、というのも理由の一つですね。僕が初めてみた瀧本ゼミの発表は、建築学を専攻している修士2年の方の発表だったのですが、知的好奇心がとても刺激されました。太陽光発電について建築業界の人が考察するとこんんな示唆が得られるのか、と。
このような理由から、僕は入ゼミを決めました。

杉山:
でも、ゼミに入るのをためらってしまうような要因もあったのではないですか?

金山:
はい。主に時間の問題ですね。大学4年生という立場上、サークルや部活動になかなか時間を割くことができません。(研究もありますし…。)だから、新しい活動を始めたいと思ってもなかなか行動に移すことができないんです。瀧本ゼミの場合も同様で、もし時間的に無理そうならすぐにでも退会しようと思っていました。でも、入ってみて瀧本ゼミはかなり自分の都合に合わせた形で参加することが出来ることが分かったので、卒論執筆で忙しい時期などは欠席し、比較的時間に余裕のあるタイミングで集中的に参加していました。

あと、まぁ「政策分析パート」ということで、政策のことを全く知らない自分が入って大丈夫なのか、という不安もありましたね。ただ、入ってすぐに「政策分析パート」というのは名ばかりであるということが分かりました。政策というの実は手段の1つに過ぎず、解決方法はそれ以外にも論文を書いたり、起業したりなど様々で、政策に精通している必要は全くありませんでした。僕は、早急に「政策分析パート」とかいう誤解を招くような名前は改めた方が良いと思っています笑。

杉山:
なるほど。時間にあまり余裕がないにもかかわらず、金山さんが瀧本ゼミに関わり続けたいと思える、ゼミの魅力はどこにあるのでしょうか?

金山:
そうですね、やはり自分にとっての一番大きな魅力は、今まで漠然と考えていた「異分野融合」を実践してみて、その本当の難しさが分かってきたことですかね。「異分野融合」って、口で言うのは簡単ですが、実際やってみると難しい点がいくつもあることがわかりました。特に難しいと感じた点を2つ挙げますね。

第一に、これは当たり前といえば当たり前なのですが、互いに背景知識をほとんど持ち合わせていない異分野の人どうしがコミュニケーションを取ること自体が難しい、ということを実感しました。自分が伝えたいことが相手に理解してもらえない、逆に、相手が言っていることが自分には分からない、という状況です笑。普段、同じ分野の人どうしで話すときにはあまり気づかないのですが、異分野の人に対して噛み砕いて説明しようとすると、実は自分自身の理解の方が曖昧で上手く説明しきれない、ということが多々ありました。また、逆に自分が慣れない分野の話でも、上手く頭の中を整理しながら一歩一歩根気よく理解する姿勢が重要だと感じました。

第二に、異分野の人と話すときには、自分の分野にとても責任を持たなければならない、ということが分かりました。普段、同じ分野の人どうしで話す時は、多少いい加減なことを言っても誰かしら気づいて指摘してくれます。しかし、その分野を知る人が自分一人という状況下では、自分がいい加減な発言をしてしまうと誰も正す人が存在せず、議論がとんでもない方向に進んでしまいます。これは、恐ろしいことです。そうならないためにも、自分の分野を異分野の人に話すときには相当な責任をもって話さなければならない、ということを痛感しました。

このように、異分野の人との共同作業により、今まで漠然としていた「異分野融合」の難しさを肌で感じることができました。僕はこの経験から、幅広い分野に興味を持つことももちろん大事ですが、それ以上に自分の分野にもっともっと精通しないといけないということを強く感じました。この経験は、研究室での研究や勉強に対する原動力となりました。

杉山:
瀧本ゼミでの活動を通じて、異分野融合への理解が深まったということですね。では、具体的に瀧本ゼミに入って何をしているか教えてください。

金山:
僕は、簡単に言うと「心電図の波形を機械学習で自動解析する」というテーマに、医学部生のSさんという方と共同で取り組んでいます。今まで医師が直接読むしかなかった心電図を自動で解析できるようになると、突然死により失われてきた多くの命を救えるようになるかもしれないんです。詳しく話しすぎると新歓発表で話すことがなくなってしまうのでこの辺にしておきますね笑。ちょっとでもこの話に興味を持った方は、是非新歓発表へ!

杉山:
なるほど。最後に、瀧本ゼミに興味を持って下さっている方々に一言お願いします。

金山:
幅広い分野の人たちと交流を持ちたいけど、行動に踏み出せていない方々へ。瀧本ゼミには、その希望を叶える環境があります。本当に様々な分野の人達が所属しているし、テーマ選びも自由、時間的にもフレキシブルに活動できます。まずは、説明会に来てみてください。手前味噌で恐縮ですが、下記日程で僕が医学部の方と共同で発表を行います。そこで、異分野融合ってやっぱ楽しそう、と思ったら、是非チャレンジしてみてください。実際にやってみないと分からないことがたくさんあるはずです。皆様の学生生活が有意義であることを祈ります。(一言と言われていたのに全然一言じゃないですね笑)

説明会・瀧本ゼミの詳細はこちら! 申し込みフォームはこちらになります!

看護学生がリサーチの先に見たものは?ー他にはない活発な議論がここにはあるー

f:id:seisaku2015:20170410202410j:plain

杉山:
今回は瀧本ゼミ政策分析パート5.5期で、慶應義塾大学看護医療学部二年生の足立さんにインタビューをしたいと思います。インタビュアーはゼミ上級生の杉山が務めます。よろしくお願い致します。

足立:
よろしくお願いします。

杉山:
足立さんがゼミに入られたのは昨年秋1年生の時でしたよね。どうしてゼミに入ろうと思ったのですか?

足立:
最終的に入ゼミを決めたのは、説明会で見た発表のレベルの高さに感心したのと、元々あるテーマについてリサーチして発表をすることが好きだったためです。

ただ、説明会に参加したのは違う理由からでした。たまたまtwitterで瀧本ゼミ政策分析パートが新規ゼミ生を募集していると知り、「政策」というワードに惹かれて説明会に参加しました。ちょうどその頃、大学の授業で日本と他の先進国の医療制度を比較する授業があり、国の制度や政策に興味を持ち始めていたので「政策」について学べると思ったのが大きな理由でした。

ところが説明会に参加すると、私が想像していたような「国の制度・政策の勉強会」とは違い、「自分で問題を設定し、徹底的にリサーチをした上でその問題の解決方法を見つけていくこと」が活動のメインだと分かりました。

結果的に説明会に参加した動機とは違ってしまったのですが、リサーチをすることは好きだったので、ここなら好きなだけリサーチができると思い特に迷うこともありませんでした。

杉山:
リサーチが好きとは珍しいですね笑 どうしてリサーチが好きなのですか?

足立:
リサーチ自体は地味で途中で嫌になることもあります。ひたすら本を読んだり、パソコンでずっと検索したり・・・。ただ調べていくうちに、どんどん自分の知らなかったことがわかり、今まで見えてこなかったものが見えてくる感覚があるんですよね。

杉山:
確かにそうですね。僕もゼミで”子どもの交通事故”について調べましたが、リサーチを進めていくにつれて子どもはただ不注意で事故に遭うのではなく、トレーニングをすれば注意力が向上して解決していくこと。そしてそういうことは海外でプログラムとして仕組まれていることがわかってきました。
足立さんが何かリサーチを好きになったきっかけはあるのですか?

足立:
中学生の頃アメリカに住んでいたことがあるんですが、その時にあったルネッサンスフェアという学習発表会のようなものがきっかけでリサーチ好きになりました。ルネッサンス時代に関連したテーマを自由に設定して、1200ワードくらいのエッセイと資料をまとめたボードを作成するという発表会で、私はルネサンス改革をテーマとして選びました。私は壮大なテーマを選んでしまいリサーチや話をまとめるのが大変だったんですが、その際に当時の先生から「調べた内容を書き出して、テーマごとに切り抜き、貼り直して構築していく」という方法を教えてもらい、「そうやればうまくいんだ」とわかってまとめることができました。

ルネッサンス時代の中でも宗教改革について調べたのですが、膨大な情報を整理してまとめていき自分なりの答えを出していくのが楽しかったです。とはいえ、その時は宗教改革の事実を整理するのに留まってしまいましたが。

日本に帰国してからは、自分の好きなテーマでリサーチに没頭できることがなかったので、「ここならリサーチができる!」と思って、ゼミの発表では張り切ってリサーチしました笑

杉山:
ゼミではどういう問題について発表されたのでしょうか

足立:
詳しくは、4/22(土)に東大の本郷キャンパスで行うゼミの説明会で私が発表するのでそちらに譲ろうかと思うのですが、多くの子どもたちが抱える”ある疾患”について調べました。

疾患自体は有名で皆さんも絶対に聞いたことのあるものだと思います。ただ、一般的に注目されるのは大人の患者さんで、子どもはあまり注目されていないのが現状です。リサーチをしていく過程で、効果的な解決策があることがわかりゼミの中で発表をしました。中学生の時は示唆を出すことを意識していませんでしたが、ゼミではただ情報をまとめるだけでは評価されなく、「調べたことから何が言えるか」を考えていました。

杉山:
先ほどリサーチが好きでゼミに入ったとおっしゃっていましたが、実際に発表を準備されてみていかがでしたか?

足立:
特に一番初めのテーマ選定の段階で一苦労でした。ゼミでは「誰も知らないが重要」ということに価値が置かれています。必ずしもテーマ自体に新規性がなくても良いですが、何かしら「隠れた示唆」を導くことが求められています。でもそういうことって「誰も知らない」くらいなので、当たり前ですがそう簡単にわからないんですよね(苦笑)

私は今回の”子どもの抱える疾患”を新書でたまたま知り、その後英語のものも含め医学論文などを読んでいきました。リサーチしていく中で、この疾患の起きる要因や解決策が見えてきました。

杉山:
リサーチ好きの足立さんですら苦労するんですね・・・。発表はかなり骨が折れたとのことですが、瀧本ゼミに入ってよかったと思える点は何かありますか?

足立:
何よりも「より深い分析をして新たな示唆を出す力」を得られたのは本当に良かったです。こうした力はきっと将来的にも役立つと思います。

説明会に参加した動機にもあった通り、私は医療関連の制度に興味があり、将来的には制度作りにも関われたらと考えています。医師や看護師などの現場の人の対応だけでは限界があり、仕組み自体を変えなければいけない側面もあるはずです。ただ仕組みを考える時に、問題の全体像を把握せず目に付いたことにばかり固執していたらきっと間違った方向へ進んでしまいます。

例えば近年話題になっている「生殖医療」の問題も、いざ深く分析しようと思うと種々の論点が絡み合って非常に難しいです。倫理的問題や民法の問題、人権など医学的側面以外の議論も必要になります。あるいは、一般的に“問題点”として挙げられることが実は本質ではないこともあります。代理出産では、代理母が子どもを依頼者の夫婦に引き渡さないことがよく“問題点”として挙げられますが、海外の事例などを丹念に調べてみると大きな問題に発展していないことがわかります。

このことに限らず「一般的に言われていることや当たり前だと思われていることが実は真実ではない」ということはたくさんあると思います。ゼミに入ってそれを実感できたこと、そして隠れた真実を見つけ出す力を得られたことは、将来どんな仕事や活動をすることになっても役に立つと信じています。

杉山:
確かに“常識”と呼ばれるものが現実と違うことはよくありますよね。入ゼミして半年、足立さんにとってゼミはどんな存在ですか?

足立:
とても居心地が良いなと感じています。
小学生でも海外に住んでいたことがあり、4年生で帰国した時に日本と海外の文化の違いを感じました。私は思ったことを率直に言う海外の雰囲気に慣れてしまっていたのですが、日本に帰国して同じようにしていたら周りの人に引かれてしまいました。でも瀧本ゼミでは、年齢や大学、専門関係なく積極的に意見を出すことが評価されるのでとても馴染みやすいです。

杉山:
今はあまり足立さんの周りではそういう環境はないんですか?

足立:
そうですね、あまりないと思います。大学の授業でグループワークや議論をする時間はありますが、それほど活発な議論にならないことも多いです。また課題のレポートを提出しても、成績評価はわかりますが具体的にどのような点が良かったのか或いは改善すべき点なのかを教えてもらうことはできず、そういう意味では瀧本ゼミの環境は本当に貴重だなと感じています。

杉山:
最後に入ゼミを検討している方へのメッセージをお願いします!

足立:
瀧本ゼミは高学年の人も多く、内容も小難しくて1,2年生にとっては少しハードルが高いかもしれません。けれど上級生の方もしっかりサポートしてくれますし、何よりも他にはないくらい議論が闊達で常に意見が飛び交う刺激的な環境があります。
また大量の情報を処理して自分なりの答えを見つけていくのは、ゴールが見えた時はすごい達成感もあるので、少しでも興味があれば是非説明会にいらしてください!

説明会・瀧本ゼミの詳細はこちら! 申し込みフォームはこちらになります!