瀧本ゼミ政策分析パート 新歓特設ブログ

このゼミは、京都大学の瀧本哲史客員准教授の下、自ら関心のある社会問題に対する解決策を立案し、ロビイングや社会起業、学術研究などの政策にとらわれない手段によって実際に問題解決を図る、東大を中心とする自主ゼミです。詳しい情報はこちらへ http://seisaku.strikingly.com/

瀧本ゼミ政策パート Co-ファウンダーに聞く:学生でも達成できる社会の変え方【後編】

 

 「突然のブレイクスルー」
 
 (この記事の前編はこちら
 
 
自治体に行かれた後は、どのような所へアプローチされたのでしょうか。
 
吉田さん:今では、Tゼミは地方議員や国会議員へのネットワークを構築しているようですが、なんせ、1期なので何もありませんでした。そこで、自分は若手の政治家が若者に向けて語る会みたいな所に行って、営業をして回りました。もう一つには社会の関心が低いという事があり、メディアを回って、AED使用解禁から10周年という事もあって、政策的検証という事で報道してもらおうと、放送局に企画書を送ったり、わかりやすいプロモーションビデオを作って、実際に営業をしました。結果的に幾つか取り上げてくれた所もあって、社会的な動きのきっかけを作る事ができました。
そうやっていくうちに僕の事を面白いと思ってくれている地方議員の方がいて、その人がある都道府県の色んな政治家を手当たり次第、紹介してくださいました。
 
・私達が今している活動も、自分達でも変わっていると思いますが、外部の方でもこんな事を面白いと思って下さる方がいたんですね。
 
吉田さん:そうなんですよ。凄く変わった方で。でも、そうやって、営業して回る中で、AEDの設置と教育をやるという政策を面白いと思って下さる方がいて、その場でトップにいきなり電話して「来月くらいにこういう事やろうと思うんですけど、大丈夫ですか?宜しく」みたいな感じで勉強会の実施が決まってしまいました。こんな感じで決まってしまうのかという驚きでした。
 
無人飛行機でAED輸送】
 
・諦めずに営業して回った事が、チャンスに繋がったという事でしょうかね。
 
吉田さん:そう思います。後は、こういう変わった人が自分みたいな人間を引っ張り上げてくれるというのが、世の中が変わるきっかけになるのかなという気もして、自分は今は社会人ですが、積極的にそういう人にも協力したいと思うようになりました。
 
・確かに、今活動続けていて、私達に協力して下さる方って王道じゃなくて、傍流だけど、これから大事になっていく所に投資をしてやろうという方も多いですよね。自分達も積極的にそういうイシューを見つけて、実際の動きに変えるという所を目指しています。
実際に、そのチャンスを活かして吉田さんはどう動かれたのですか?何か気にかけた事などありましたか?
 
吉田さん:ゼミ生相手や知らない友人相手に、何度も練習したのですが、やはり、関心のない人たちに一発でプレゼンをし、関心を持って貰うというのは大変でした。プレゼンまでの時間も余りなく、かなり根詰めて内容を練りました。
しかし、何とか準備を終えて一部の議員の方達へのプレゼンが無事終了し、彼らからは賛同を頂く事ができました。この時は達成感がありました。
 
 
【当時のプレゼンテーション資料】
 
 

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・なるほど、それで政策を作る事が決まったのですか?
 
吉田さん:いや、それで最終決定ではなかったんです。次には、与党の県議全員が集まる場での勉強会が決まってしまいました。これは自分だけでは、十分なプレゼンができるのか、という規模になってしまいました。
困っていた所で、チームの医学生が、私達の活動に共感してくれる、AEDの専門家を紹介してくれました。その方とプレゼンテーションを一緒に行い、県議会での議会立法を次年度に向けて行う事が正式に決まったのです。実際に今年になって、条例が制定される運びになっており、現在パブリックコメントなども含めて最終調整中との事です。
 
・それは劇的ですね。
 
吉田さん:このインタビューを見た皆さんはこんな事は難しいと思うかもしれませんが、正しく分析したデータと、熱意さえあれば、多くの人は協力してくれます。実際にこの活動の後半、私が卒業する直前は多くの方が協力してくれました。皆さんも身近に感じる疑問や、ささいな着想をきちんと裏付けて、熱意を持って実行すれば、絶対に実現できます。正しく仮説を持って行動すれば、実現できるのです。
 
・吉田さん、今回は有難うございました。
 
 
 
吉田さんはその後、広告代理店に就職し、後輩に活動は引き継がれました。ここには後日談があり、これらの動きに他都府県の有力議員も関心を持っていもらい、
AEDの政策や普及施策を実現する為の財団が、チームの提案がきっかけとなって結成され(http://www.aed-zaidan.jp/)、他地域や国レベルでも同様の政策を実現する為に活動しています。実際にチームメンバーの医学生は設立に関わったその財団でも活動を続けています。